男木島は、瀬戸内海に浮かぶ美しい小島で、豊かな自然や文化、歴史を感じられる観光スポットが数多く点在しています。
3年に1度開催される瀬戸内国際芸術祭の会場でもあり、たくさんの作品の展示場所が観光スポットにもなっています。
記事内では、男木島を訪れる際にぜひ立ち寄りたい主要な観光スポットを
- 男木島南部の観光スポット
- 男木島北部の観光スポット
- 瀬戸内国際芸術祭関連の観光スポット
に分けて紹介します。
男木島はバスなど移動手段がないので、徒歩で観光することになります。
坂道が多いので、歩きやすい靴を履いて行くようにしましょう。
男木島は「猫の島」とも言われており、猫の数も多いので、猫と触れ合いながら観光できますよ。
男木島の南側にある観光スポット
始めに男木島の南側にある観光スポットについて紹介します。
男木島は南側に集落があり、観光名所が多いです。
今回紹介する観光スポットは以下の3ヵ所です。
男木交流館(男木島の魂)
男木港にある男木交流館は、島の住民と訪問者をつなぐ拠点です。
文化交流や地域の魅力を発信する場所として機能しており、建物内には、観光案内所が設けられています。
また、男木島・女木島と高松を結ぶフェリー「めおん」の切符の購入窓口があるので、女木島や高松へのチケットを購入できます。
数は限られていますが、椅子も置かれているので、フェリーを座って待つことができる船の待合所も兼ねています。
荷物も預かってくれるので、大きな荷物を持っている人は、男木島到着後にここで荷物を預けて観光しましょう。
男木交流館は、2010年の瀬戸内国際芸術祭の際に作られた「男木島の魂」というアート作品でもあります。
周りは水が張られており、水面に映る姿も綺麗です。
白い屋根には8つの言語が散りばめられているので、ぜひ見上げてみてください。
男木港に位置しているので、男木島を訪れた人がまず始めに触れるアート作品になります。
男木交流館(男木島の魂)の場所
豊玉姫神社
豊玉姫神社は、男木島の文化的なランドマークとして、地元の人達に親しまれている神社です。
古くから「縁結び・安産」の神様として信仰されています。
男木島の高台に位置しているため、男木島の集落や瀬戸内海を一望できます。
西に向かって建っているので、特に夕日が綺麗に見れる絶景スポットとなっています。
豊玉姫神社の本堂からではなく、豊玉姫神社への階段や、少し下がったところにある鳥居付近からの眺めが綺麗です。
階段が急なので、落ちないように気をつけてください。
男木港のすぐそばにある鳥居から参道が続いています。
2年に1度の8月には、豊玉姫神社で「男木島の夏祭り」が開催されます。
明治初期に始まったとされている歴史的な祭りです。
コロナの影響で長らく縮小されて開催されていましたが、2024年に6年ぶりに通常開催されました。
男木港から上り坂を歩いて行く必要がありますが、ぜひ豊玉姫神社に足を運び、自分の目で男木港の絶景を体感してみてください。
豊玉姫神社の場所
男木島図書館
男木島図書館は、2016年にオープンした比較的新しい図書館です。
週末を中心に開館する私設図書館で、島の人達が集う憩いの場としての役割もあります。
寄付によって運営されており、誰でも無料で利用できます。
2階建ての小さな建物の中には、6千冊ほどの書籍があります。
学校で使われている椅子と机もあるので、時間を気にせず本を読むことができます。
中にはカフェも併設されており、ゆっくりくつろぐことも可能です。
静かな空間で本を手に取り、ゆったりと時間を過ごすのに最適な場所です。
男木島図書館の場所
男木島の北側にある観光スポット
続いて男木島の北側にある観光スポットについて紹介します。
男木島の北側は、南側と違って集落がなく、人や猫がほぼいません。
反対にイノシシなどの野生動物がいるので、気を付けてください。
男木島灯台以外は、自然に関連した観光スポットとなっています。
男木島灯台
男木島灯台は、男木島の北端にある灯台です。
男木島の中心地から離れた場所にあり、男木港から歩いて30分ぐらいかかります。
男木島灯台は、山口県の角島灯台と合わせて日本で2基しかない無塗装の灯台で、文化的に貴重な灯台です。
灯台には、御影石が使われており、外観からも石が使われているのが分かります。
香川県の灯台の中で唯一「日本の灯台50選」に選ばれていますし、香川県坂出市にある鍋島灯台と同じく保存灯台のAランクに指定されている価値の高い灯台です。
この灯台は1895年に初めて点灯され、以来多くの船乗りたちに道を示してきました。
現在でも使われており、瀬戸内海を航行する船舶にとって重要な役割を果たしている歴史的建造物です。
すぐ横には砂浜があり、晴れた日には、瀬戸内海越しに豊島や直島が見える絶景を楽しむことができます。
敷地内には資料館やキャンプ場もあります。
男木港から片道30分ほど歩かないといけないのがネックですが、観光名所として人気がある男木島灯台へぜひ訪れてみてください。
男木島灯台の場所
タンク岩
タンク岩は、日本でも限られた場所でしか見ることができない自然の一部である観光スポットです。
タンク岩は、500万年前の火山噴火でできた岩で作られています。
具体的には、500万年前に噴出した溶岩がゆっくり冷え固まってできた柱状節理と呼ばれる岩が柱のように突出したものです。
大きさが縦9m、横3m、長さ4mと大きく、見た目がタンク(戦車)のように見えるため「タンク岩」という名前が付いています。
タンク岩は、男木島の自然にできた不思議な場所で、独特な形状で訪れる人を楽しませます。
柱状節理は全国的にも珍しく、香川県内では、タンク岩以外だと、女木島の鬼ケ島大洞窟の出口の上にあるのみ。
珍しいタンク岩の姿は、写真好きの観光客には絶好の被写体となっており、訪れる際はしっかりとカメラを構えて撮影したいスポットです。
タンク岩周辺には「海岩」と呼ばれる岩がゴロゴロ転がっている場所となっているので、岩で滑らないように気をつけてください。
ここに落ちている黒い玄武岩は、男木島内に集落の石垣などに使われています。
タンク岩の場所
ジイの穴
ジイの穴は、男木島の中央にあるコミ山(標高212.9m)の頂上付近にある洞窟です。
ジイの穴の奥には、飲むと不老不死になると言われている湧き水が湧いていてます。
実際に入って飲みたいところですが、現在は危険なため立入禁止にされています(以前は洞窟の中に入ることができました)。
香川県を舞台にした桃太郎伝説にまつわる場所で、鬼の副大将が逃げ込んだとされています。
ちなみに、鬼の大将は女木島の鬼ケ島大洞窟に逃げ込んだとされています。
ジイの穴へは、島の南側から山道を進んで行くこともできますが、男木島の西側沿いにある男木島灯台へ続く道の途中から山の中に入るルートが一般的です。
数年前に遊歩道が整備されたものの、まだ足場の悪いところも少し残っています。
分かれ道からは、ジイの穴までの道は、かなり長い階段を登っていきます。
約20〜30分ほど歩かないといけないので、体力が必要です。
ジイの穴の場所
水仙郷(冬のみ)
男木島の水仙郷は、冬だけに見られる特別な景観です。
男木島では寒い季節になると、島の北側の斜面一面を中心に水仙の花が咲き乱れ、甘い香りが漂います。
例年だと、1月下旬から咲き始め、2月上旬から3月上旬に見頃を迎えます。
水仙が咲く場所は主に島の北側で、島内で合計で1千万本以上の水仙が咲きます。
限られた期間しかみれないこの美しい水仙の風景は訪れる人々を癒やします。
特に寒さの厳しい冬の日にここを訪れると、心休まるひとときを過ごすことができます。
2024年には、2月1日から2月29日の1ヵ月間、水仙まつりの期間とされ、土日祝にはお弁当の販売などが行われました。
そのうち、2月18日のみ、男木島灯台の中を見学できるイベントも開催されました。
男木島の常設展示されている瀬戸内国際芸術祭関係の観光スポット
男木島は、3年に1度開催される瀬戸内国際芸術祭の舞台の一つで、期間中は島内にたくさんの作品が展示されます。
そのうちいくつかは、瀬戸内国際芸術祭が開催されていない時にも常設展示されており、いつでも作品鑑賞を楽しむことができます。
男木島では、屋外に設置された作品が多く、アートと島の風景が融合した特別な風景を楽しむことができます。
歩く方舟
歩く方舟は、男木島の南東側にあるアート作品です。
名前からも想像されるように、ノアの方舟がモチーフです。
作品のすぐ近くまでいくことができ、作品の周りを歩くことで、周囲の風景が次々と変わり、新たな視点や発見を楽しむことができます。
10本の足があり、遠くから見ると、海に向かって歩いているように見え、静かに進む巨大な船を彷彿とさせます。
「歩く方舟」は、男木島の自然と見事に調和しており、作品越しに、瀬戸内海や屋島や五剣山が見えます。
男木漁港からは、東に向かって海沿いを歩いて向かいましょう。
歩く方舟の場所
タコツボル
男木港にある作品「タコツボル」は、蛸壺(たこつぼ)をモチーフにしたユニークなアート作品です。
この作品のテーマは、男木島の伝統であるタコ漁でタコの捕獲に使う蛸壺に由来しており、男木島における伝統と自然との深いつながりを感じさせてくれます。
作品を通じて、島の暮らしや文化を垣間見ることができるのも魅力の一つです。
子どもの遊び場として作られたアート作品で、遊具としても使われています。
タコツボの中に入ることもできるので、ぜひ入ってみてください。
タコツボルの場所
路地壁画プロジェクト wallalley
「路地壁画プロジェクト wallalley」は、入り組んだ男木島の路地を活かしたアートプロジェクトです。
男木島の細い路地や古い建物の壁は、国内外のアーティストたちによる色鮮やかな壁画で彩られています。
民家の外壁に、島の廃材をペイントしたものが使われています。
これらの壁画は、島全体をキャンバスとしたアート作品ともいえる存在です。
1カ所だけではなく、男木島の複数の場所に作品があり、訪れる人々は、この路地を巡りながら、まるで絵の中を歩いているかのような不思議な体験を味わえます。
男木島を散策する際には、この路地アートもぜひ見逃さずに堪能してください。
路地壁画プロジェクト wallalleyの場所
青空を夢見て
「青空を夢見て」は、男木島の広がる青い空をテーマにした、大規模で印象的な作品です。
この作品は、鮮やかな色使いとダイナミックなスケールで表現しています。
作品は、男木小学校・男木中学校の体育館の壁面がキャンパスとなっています。
夏休みなどの長期休み以外の平日は、学校として使われているので、学校の子どもたちの邪魔にならないように気をつけてください。
青空を夢見ての場所
男木島の観光マップ
以下のマップを見て分かるように、観光スポットはほとんど島の南側に集まっています。
したがって、時間が限られているのであれば、南側を中心に回りましょう。
集落の中の路地は坂道が多く、海沿いは平坦な道が多いのが特徴です。
北側の観光スポットは、男木島灯台以外は山道を歩くことになるので、サンダルや歩きずらい靴は避けましょう。
男木島の観光マップ
男木島の観光に関するよくある質問
男木島内に路線バスは走っていますか?
男木島内に路線バスは走っていません。
島内の移動は、基本的に徒歩になります。
男木島にレンタサイクルはありますか?
男木島にレンタサイクルはありません。
数年前まではありましたが、廃止されました。
男木島で自転車をレンタルすることはできませんが、島の外からフェリーで持って行くことは可能です。
ただし、自転車で走れる場所は限られていることを覚えておきましょう。
男木島にコインロッカーや手荷物預かり場所はありますか?
男木島にコインロッカーはありません。
手荷物預かり場所に関しては、男木港にある男木交流館(男木島の魂)の中の観光案内所で荷物を預かってくれるようになっています。
荷物を預けるときに500円必要ですが、荷物の返却時に500円戻ってくるので、実質無料です。
瀬戸内国際芸術祭期間中(9:00~17:00)やイベント開催時には、男木港にある「島テーブル」でも荷物を預かってくれます(小サイズ300円・大サイズ500円)。
男木島行きのフェリーに乗船する前に、高松港やJR高松駅周辺のコインロッカーに荷物を預けておくと、身軽な状態で観光を楽しむことができます。
男木島は日帰り旅行でも楽しめますか?
男木島は小さな島なので、主要な観光スポットを回るだけであれば、日帰りでも十分に楽しめます。
半日もあれば観光することができるため、女木島と合わせて1日使って観光することも可能です。
男木島の観光スポットまとめ
男木島にある観光名所を紹介しました。
歴史的な神社や伝統的な風景が楽しめる場所から、アートや文化に触れられるスポットまで、男木島は観光客にとって心に残る場所です。
特に、高台にある豊玉姫神社からの景色が綺麗です。
男木島灯台やタンク岩、ジイの穴に関しては、島の北側にあるので、男木港から歩く必要がありますが、それ以外の観光地は島の南側に集まっているので、長距離を歩くことはありません。
島内にたくさんいる猫とふれあいながら男木島観光を楽しんでください。